模糊日記

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価値観を変える表現力〜欅坂46東京ドーム公演初日を見て〜

先日といっても1ヶ月以上前の話になるが欅坂46の夏の全国ツアー追加公演の東京ドーム公演に行った。

 

その日は雨も降っており水曜日という平日、仕事を休み宇都宮から電車に乗り東京ドームに足を運んだ。楽曲、パフォーマンスに惹かれ、欅坂にはまってもうすぐ1年が経とうとしていた。社会人にはまったものはそうアイドルであった。だが、私は強く言いたい、欅坂46はただのアイドルではない、確かに、握手会といったアイドル特有の活動をしている。しかし、彼女たち(欅坂46)の楽曲にはこれまで自分が知っていたアイドルらしさというのは感じなかった。自分らしく生きろ、自分を信じろ、世間に屈するなといった自分対社会という楽曲が多い。学生というクローズな場所からからオープンな土俵で戦うことになる社会人にならなければハマらなかったかもしれない。

 

本題に入りたいと思う。

今回訪れた、東京ドーム公演は8月の中旬から9月の初旬に行われた4都市計10公演の全国アリーナツアーの追加公演としての位置付けである。8月に行われたアリーナツアーでは仙台公演に行った。私が応援している平手友梨奈は怪我のため欠席であったが、見応えのある演出、ライブであった。アリーナツアーの後半5公演は平手は「避雷針」という楽曲のみ参加している状態であった。東京ドーム公演ではフル出演するのか、それとも一部だけなのか期待半分、不安半分の状態で開演を待った。

ステージの左側から平手友梨奈が一人歩いてきた。歓声が上がる、そしてステージに置かれたグランドピアノで静寂に包まれた会場に一音奏でるそしてステージは暗転し「Overture」が流れる、会場にいる観客たちは音楽に合わせ緑に灯したペンライトを振り、おなじみのコールを入れる。この曲が流れた時の一体感はすごい。自分も傍観者ではなくそのライブの当事者になった気分になる。そしてメンバーがゆっくりとステージに現れる。「ガラスを割れ!」が流れる。平手センターでのパフォーマンスは去年の全国ツアー(全ツ)以来である。紅白歌合戦では負傷のため小林由依がセンターを務めていた。会場は意外な一曲目にテンションは上がっていく、ペンライトを赤色にそして全員でRock youやBOWWOWといったコールを入れていく。私自身この曲は昨年のCDJで生で聞いているがその時もセンターは平手ではなかった。今回完全体となったガラ割れはその時の興奮をも遥かに凌駕するものであった。命削ってるなと感じるほどのダンスに目を奪われてしまった。ダンストラックと繋がり、可愛らしいという言葉は一切似合わないカッコ良い激しいダンスにこの公演への思いを感じた。「語るなら未来を・・・」が流れる。そして再びダンストラックに入る、交通標識を使ってダンスが止まったり、ダンスで、日常を表現するというものであった。そして「Student Dance」が始まる。この楽曲のパフォーマンスは今年見にいった全部のライブで行われている(武道館、共和国、全ツ)。パフォーマンス中スマホでメンバーを写しその映像がスクリーンに映し出される。スマホに映った映像からも楽曲に入り込んでいるメンバーの姿が伝わってくる。センターステージ上には噴水が上がり楽曲の雰囲気を作り出していた。そして再びダンストラック、今回は平手ソロであった。ピアノの上に上がり最後は鍵盤を踏みつけるという衝撃的なラストからの「エキセントリック」である。社会に対して自分らしくいることを肯定されている気分になってくる。MCが入り、「世界には愛しかない」につながる。この楽曲はこれまでの楽曲に比べ曲調、歌詞ともにポップな感じの曲である。ライブでは盛り上がる定番曲である。ステージ上には青空が映し出され、歩道橋のセットが作られる。歌詞にも出てくるその歩道橋の上で平手、土生、小林のポエトリーリーディングが行われていく。そして、2番ではMV同様に傘を使ったパフォーマンスそして、青空が雨模様になり歌の世界観に嫌が応にも引き込まれていく。共和国のオープニングでも感じたが、欅坂46のライブへの引き込み方の上手さは尋常では無い。これもTAKAHIRO先生が演出に関わっていることもでかいのだろう。爽やかな曲が続く「青空が違う」である。ユニットメンバーの菅井、守屋、渡辺梨加、渡邊理佐の4人が二組に別れて気球に乗りパフォーマンスしていく、会場中を柔らかい雰囲気に変えていく。続いて「バレエと少年」が始まる。こちらもステージをうまく使い楽曲の雰囲気をよくしていく。激しいダンスに目が行きがちだがこのユニットはしなやかなダンスがよく似合うと思う。「制服と太陽」「二人セゾン」と繋がってるいく。二人セゾンでは会場のペンライトがオレンジ色になり秋な雰囲気を感じるこの楽曲にさらに色がついていく。二人セゾンは平手のソロダンスが存在する。平手のしなやかなダンスには目を奪われてしまう。そして最後のアウトロで振り向くシーンの切なさはなんとも言えない。「キミガイナイ」でさらに会場は切なさ、儚さを帯びていく。ステージ中央には森が広がる。2018年の共和国ではコールが入っていたが、曲の雰囲気、会場の雰囲気のなせる業なのか自然とコールは消えていた。FIVE CARDSの「僕たちの戦争」で会場のしんみりとした雰囲気が一転テンションが上がっていく、後半戦が始まるぞという気持ちにさせてくる。五人囃子というユニットの「結局、じゃあねしか言えない」が流れる。自転車を使いユニットのメンバーが会場を走るのがとても印象的だ。この曲で会場が穏やかな空気が流れた。MCを挟み初お披露目の衣装でデビュー曲でもある「サイレントマジョリティー」を披露する。この曲をアイドルが歌うという異質さそしてデビュー曲であることに驚いてしまう。若い年代にとっては生きるための指標になり、上の世代ではこのように行きたかったという希望が乗せられていると思う。私自身学生時代にこの楽曲をちゃんと知っていれば自分の進みたい道をもっと突き詰める行動を起こしていたかもしれない。実際マジョリティーであったかもしれないがここまで強くはいることはなかった。人生100年時代と言われる今を生きているのでまだサイマジョみたいな生き方はできると思っているのである意味私にとって応援歌でもある。ステージが暗転し雷鳴が鳴り響き「避雷針」が流れる。ヒステリック、病みそうな歌詞のオンパレードだが最後のワンフレーズに救われるような気がする。早着替えからの「アンビバレント」では静まり返った会場が盛り上がっていく。そして間髪入れずに「風に吹かれても」が始まる。クライマックスに向けて会場の熱が上がっていく。風に吹かれてもの楽観的な歌詞には救われる要素がある。”人生は 風まかせ さよならまで楽しまなきゃ”ぶっちゃけその場の雰囲気やタイミングで人生は決まっていくと思うので思いつめても無駄かなと思えてくる。そして1番盛り上がる曲「危なっかしい計画」が始まる。メンバーの煽りに会場が応え会場のテンションはMAXになる。この曲は夏に放送されたMUSIC DAYでも披露されている。ただテンションが上がる。本編最後の曲「太陽は見上げる人を選ばない」が流れる。センターステージにて噴水に囲まれながらなのパフォーマンスは幻想的であった。そしてエンディングになりステージが暗くなった。しかし、規制退場のアナウンスは流れない、会場にはアンコールを求める欅坂46コール、私も何がアンコールでくるか楽しみでしょうがなかった、冬に発売予定の新曲かはたまた違う曲なのか・・・そしてあの曲の一音がなった瞬間会場が揺れたように感じた、そう「不協和音」である。平手センターでは2017年の紅白以来の披露にこの日最後の曲にしてボルテージはMAXであった。私自身も不協和音は生で聴いてみたかったのでとても嬉しかった。しかも衣装はMVと同じ衣装でそこでも感動。しかし、2番の”僕は嫌だ”は誰が言うのだろうか、この部分は今年の7月いっぱいで卒業した長濱ねるが言っていたのである。誰がやるんだと楽しみに待っていると2期生の田村でした。あっという間の一曲でした。そして終演。まさかの不協和音でテンションが上がり次の日仕事が手につかなかったのは言うまでもありません。

欅坂の楽曲は強い意志を持って動け、自分を信じろ、他に干渉されるなと言った強さが秘められていると思う。さらにライブでは演出やパフォーマンスをする彼女たちの一挙手一投足に心を打たれる。体力が限界に達しているであろうアンコールに激しい不協和音を持ってきて完遂する意志の強さはその場でしか感じられないものの一つかもしれない。これからも欅坂46を追っていきたいと思う。