模糊日記

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読書、アニメ、マンガ、ロードバイクなど思ったことを書きます

四月は君の嘘 何度読んでも感動する作品

四月は君の嘘2015年に最終巻が発表された新川直司さんが書いた漫画である。

 

あらすじ

母の死がきっかでピアノが弾くことができなくなった天才少年・有馬公正。春のある日彼の前にバイオリニストの少女宮園かをりが現れる。彼は彼女との交流とピアノを再開したことにより様々な人と出会いだんだんと成長していく。人を前に進ませたそんな彼女は病を患っていた。その病は重く有馬は音楽を楽しめそうになり大きな大会(東日本ピアノコンクール)を前に不調に陥る。しかし、彼女は手術を受け前に進む決心をする。同時に彼も前に進むためにコンクールに出場する。手術とコンクールは同日に行われ、彼女は治療の甲斐なく亡くなってしまうが、彼の演奏は多くの人の心を打ち大きな拍手を受ける。そして何日かがたち有馬は彼女の両親からある手紙をもらう。その手紙には彼女の本心が綴られていたそして、彼女がついたある嘘について書かれていた。そして彼女のいない春が来たところで物語は終わる。

あらすじとしたらこんな感じだろうか・・・

 

注目ポイント1

この作品はクラシックを題材とした作品である。物語の随所に演奏のシーンが描かれている。ピアノの独奏、連弾、バイオリンとピアノの合奏と物語の進行とともに様々な演奏が描かれていく。また、単行本には演奏された音楽の解説も載っており時代背景などを踏まえるとかなり物語を深く楽しめると思う。

注目ポイント2

本ブログでは以前いちご同盟について少し書いたがその作品の言葉が使われている。その言葉が使われるシーンもなんとも言えないシーンであるが、その言葉があるからこそ最後の感動があるのだと私は思っている。

ねぇ、私と心中しない?

とお見舞いに来た有馬に問いかける有馬は本をすでに読んでおり、結末が見えてしまったのかもしれいと思う。かをりの問いかけは冗談ではなく、本気なのではないのかと私は思っている。一緒に演奏するという夢を叶えられたが自分のいない世界で有馬がピアノから離れてしまうのではないかと思い発言したのだと思う。自分とともに死ぬことで有馬はピアノと向き合う時に苦しい思いをしなくて済むだろうと思ったからではないのかと私は考えている。しかし、有馬は彼女に演奏を聴かせてまた一緒に演奏しようと提案する。その夢は叶わないのだがしかし、本編で描かれる最後の演奏で二人は心の中で一緒に演奏するシーンに繋がっていく。

 

なぜ泣けるのか

兎にも角にもかをりが残した最後の手紙が泣けるのである。

ここに手紙を書いたところでそれまでのストーリーを読んでないと伝わらないと思うので割愛する。それにしても泣けるのである。公正を知ってからの自分を全て書き記している。きっと、手紙を書くのも大変だったと思うが公正への憧れなどあふれんばかりの思いが込められている。この手紙があることで公正はピアニストへの道を閉ざさずに前に進むことができるのだろうと思う。人の死は人を前に進ませるかとどませるかのどちらかだと思う。公正は母の死で立ち止まっている。そして、かをりの死で再び立ち止まることがあればかをりは公正の前に現れるべきではなかったと思う。しかし、有馬はピアノに向かうだろう、事実エンディングでは弾くシーンがある。これができるのも手紙のおかけだと思っている。言葉の持つ力はとてもすごいと思う。特に

私は誰かの心に住めたかな?私は君の心の中に住めたかな ちょっとでも私のこと思い出してくれるかな-リセットなんかイヤだよ 忘れないでね 約束したからね

は何度読んでも涙が出て来そうになる。現実では有馬の近くにいることができないが心の中にはいるよというメッセージになると思う。だから有馬はピアノから離れずに済んだと思う。母親は心に住んでいないのかと思われる言い回しになってしまったが決してそのような意味ではない。母の死は小学生の時でうまく向き合うことができなかったのと、愛情として受けたスパルタ教育により気づくのが遅くなってしまったのだと思う。実際向き合うようになるシーンも存在している。

 

最後に

伏線もしっかり回収され、悪い人が出てこない、そして何より登場人物の全員が最後に前を向いている。人の死がクライマックスで出てくるが亡くなったかをりも前を向けているので完成度がとても高い作品だと思う。

発売されてから時間は過ぎているがいつ読んでも面白い作品だと思います。ぜひ一読してみてはいかがでしょうか?

 

久々の更新で文章になってないかもしれませんが悪しからず・・・